5月の暦と席づくり |
5月の異名=皐月、雨月、菖蒲月、啓月、早月、早苗月、稲苗月、田草月
新茶=5月中旬、宇治の一帯では昔ながらのよしず張りした茶園で、玉露となる葉茶が育っている。初物を味わうと寿命が延びるといわれることから、八十八夜の新茶が喜ばれ、年々新茶の出まわりが早くなってきている。新茶独特の香り、産毛の浮いた美しい緑、とれたての強烈な味ならではの味わい。唐人の詩人盧仝が友人から新茶を贈られて、謝礼を託した詩を入れた木米作の茶碗や、蓮月尼の茶摘歌入りの新茶器などがある。
6月の暦と席づくり |
6月の異名=水無月、風待月、季夏、極暑、常夏、涼暮月、蝉羽月
涼一味=「実れる秋の姿祝して」の田植時は、暑さの訪れを感じるころ。襖、障子を取り払い、葭障子、簾をたれてすっかり夏座敷に模様替えした茶席の床には、やや和風趣味になるが、釣舟の花入れや、たっぷりと濡らした土ものの花入れが涼味をそそる。ガラスの菓子器に葛菓子も夏の茶席の味わい。
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