煎茶の道具その2

茶席飾の一例


茶心壷
(ちゃしんこ)

茶入れ
茶壺
 茶の葉の入れもので、左にあげた名の他に様々な呼び方をされますが省略します。大きさは様々ですが、手前に必要な分量が入ればよいでしょう。形は、四角・丸・六角又は八角・壺形といろいろの形があります。材質は錫のものが多く、陶磁器、竹、木などのものがあります。陶磁器のものでも、特殊な場合を除いて、染付、赤絵など美しいものが多いようです。茶の葉がしめることなく、また扱いやすいものがよいでしょう。 茶心壷
   
仙媒(せんばい)
茶合(さごう)
茶則(ちゃそく)
茶量(ちゃりょう)
 お茶の葉をはかって、急須に入れる道具ですが、大きさや材質はいろいろのものがあります。長さ12〜15cmくらいのものが普通でしょう。これより小さいものも、大きいのもありますが、大きいものでは字を書くときに使われる腕枕といって、腕をのせる台と混同されていることもあります。
材料で最も多いのは竹です。花鳥山水、詩など刻まれています。竹のほか、金属、象牙、木などが使われています。竹の場合、節をつける場合と、つけない場合があります。
仙媒
   
袱紗(ふくさ)  茶具を清めるのに使われます。普通は茶心壷と仙媒を清める(拭う)のに使われ、絹、木綿などが使われ、無地のもの柄ものまど様々です。大きさは流によって異なることがあります。
   
茶巾入れ 
巾盒(きんごう)

巾筒(きんとう)
茶巾筒
 茶巾を入れる器で、ふたのついているものを巾盒と呼び、ふたがなく、筒になっていて茶巾を立てるものを巾筒と呼びます。箸瓶と一対で作られることもあります。 巾盒
   
急須(きゅうす)
茶銚(ちゃちょう)
急尾焼
(きびしょう)
茗瓶
(みょうへい)
 一般に使われている急須のことで、誰もがよく知っているものでしょう。
 急須には二つの形があります。横手と後手の二つです。一般に使われている形のものが横手といわれるものです。後手といわれるものは、注ぎ口と持ち手が一直線上にあるものをいいます。茶銚という場合は後手のものをさします。横手の急須は炉にかけられることがありますが、後手のものは直接火にかけることはありません。流によって、後手だけを使用するところもあります。
 大きさについて見ると、横手のものが大きく、後手のものは小さめです。

 急須は、煎茶道具の中でも重要なものであり、古来数々の名品といわれるものがあります。中国から渡って来た朱泥(しゅでい)の急須(後手のもの)で、万豊順記、三友居などの名品、恵孟臣、孟臣などと珍重されるものがたくさんあります。日本のものでも、木米、道八、竹泉などの名品があります。

茶銚
  
泡瓶(ほうひん)  急須と同じく、茶を淹す器ですが、持ち手がありません。ほうひんと呼びますが、宝瓶、方瓶などと書くこともあります。 泡瓶
   
湯ざまし  玉露をだす場合には、湯をさます必要があるので、この器がつかわれます。熱湯を用いる煎茶の場合には不要です。流によって使うところと急須を二ヶ使用して、湯ざましを使わないところがあります。 湯ざまし
    
瓶床(びんしょう)
急須台
銚座(ちょうざ)
 急須、茶銚、泡瓶などをのせる台のことです。金属、木、竹や籐で編んだものといろいろなものがあります。注ぎ回しの急須をのせるときだけに使われるものに竹で編んだ提瓶床があります。 瓶床
   
茶碗(ちゃわん)
茗碗(みょうわん)
茶盃(ちゃはい)
茶盞(ちゃさん)
茶鍾(ちゃしょう)
磁碗(じわん)
啜香(せっこう)
 煎茶で使われる茶わんは小さな茶わんです。お茶の色がよく判るように、中は白いものが普通です。大きさについていえば、やや小さいのが玉露用、大きめなのが煎茶用と区別されるでしょう。その形は四通りに分けられます。
 茶わんも、急須とともに重要視されていますが、古染付といわれるものが珍重されています。染付、赤絵、をはじめ金襴手のものなど様々なものがありますが、染付のものが最も多いようです。(茶わんの’わん’の字は椀、碗等と書かれますが、最もよく使われる碗を使いました)
茶碗
   
碗筒(わんとう)  茶わんを入れる器で、竹、籐などで編んだものや、木、竹でつくられてものがあります。
   
茶托(ちゃたく)
托子(たくし)
茶台(ちゃだい)
納敬(のうけい)
飛閣(ひかく)
 茶わんをのせる台で、一般でも使われている茶托です。材質、形ともに実に様々なものがあります。銀、錫、銅、竹、木、などでつくられます。小判形、丸形などを基本にいろいろな形が作られています。茶わんとの調和を考えて選ぶべきでしょう。 茶托

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