4月の暦と席づくり |
4月の異名:卯月、乾月、始月、初夏
蘭=四愛の一つ。「蘭に国香有り」と、環境によって芳香が違うといわれる蘭。山間にひっそりとほのかな香を放って咲く一茎一花の春蘭を、文人たちは貞節としてその気高さをこよなく愛しんだ。蘭は文人画の好画題で、春蘭や蘭、洋蘭を描いた煎茶器も多い。蘭とともに春の代表的な薺、蝶薺、胡蝶などの煎茶器もある。
5月の暦と席づくり |
5月の異名=皐月、雨月、菖蒲月、啓月、早月、早苗月、稲苗月、田草月
新茶=5月中旬、宇治の一帯では昔ながらのよしず張りした茶園で、玉露となる葉茶が育っている。初物を味わうと寿命が延びるといわれることから、八十八夜の新茶が喜ばれ、年々新茶の出まわりが早くなってきている。新茶独特の香り、産毛の浮いた美しい緑、とれたての強烈な味ならではの味わい。唐人の詩人盧仝が友人から新茶を贈られて、謝礼を託した詩を入れた木米作の茶碗や、蓮月尼の茶摘歌入りの新茶器などがある。
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